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薬剤師は景気の好不調の波を受けにくい人気の業種です。しかし、人生の多くの時間を費やすわけですから、やはり、よりよい処遇・よりよい人間関係・よりよい職場環境を求めたいものです。一度しかない人生です。ユーザーのみなさまが、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

コラム:病院における薬剤師の役割「医師が薬を必要以上に多く出す理由」

医薬分業制度において、欧州の薬剤師は医薬品の独占的な販売権を得、医師からは独立して調剤権を国家から認められました。

その代わり義務として、いつでもどこでも必要な薬を、必要な国民に供給する、薬の危険性から国民を守る、薬の有効性、安全性の管理、それらすべてを薬剤師が管理する責任が課せられました。

このような内容が医薬分業であり、薬剤師の役目となってきました。

第二次大戦の敗戦後、連合国の指導により、改めて欧米風の近代的な医療体制を日本でも構築することが志向され、薬事法や薬剤師法、医師法等の作成が行われました。

そのときに欧米では完全な医薬分業が進んでいたことを背景に、完全な医薬分業を基本にした法案が提案されました。しかし、調剤に対する医師の従来の既得権を維持しようとする力が強く、薬剤師による調剤には「医師、歯科医師、獣医師が、特別の理由があ り、自己の処方箋により自らする時を除く」という但し書きが入りました。明治時代と同様に、事実上医薬分業が骨抜きとなりました。

戦後、時聞が経過するに従い、日本の戦後の医療の中で、薬の取り扱いが、非常に大きな問題を生じさせました。薬は事実上、国家管理されている面が強く、たとえば薬価は国が決めています。

また、現在、我が国は国民皆保険であり、使われた薬の費用は、国が決定した価格に従って医療機関に支払われます。薬の購入は医療機関が行います。

購入価格を安くすると、国が決めた価格との聞に差額が出ます。それが薬価差益であり、医療機関の益になります。しかも医薬分業がほとんどできていないため、医師が処方箋を書くとともに調剤をしてしまっています。医師の技術、医師が診断や治療のための 行為に対する報酬が非常に低く抑えられ、一方、薬に関しては、処方護に薬の種類と量を増やせば、差益がどんどん増えていく。これらを背景に、結局、医師は薬を必要以上に多く出してしまうという傾向が強く出てきました。

参考になさってください。

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