トップページ > コラム:病院における薬剤師の役割「政策誘導、利益誘導を力に進められた医薬分業」

薬剤師は景気の好不調の波を受けにくい人気の業種です。しかし、人生の多くの時間を費やすわけですから、やはり、よりよい処遇・よりよい人間関係・よりよい職場環境を求めたいものです。一度しかない人生です。ユーザーのみなさまが、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

コラム:病院における薬剤師の役割「政策誘導、利益誘導を力に進められた医薬分業」

薬の購入価格を安くすると、国が決めた価格との聞に差額が出ます。それが薬価差益であり、医療機関の益になります。しかも医薬分業がほとんどできていないため、医師が処方箋を書くとともに調剤をしてしまっています。

医師の技術、医師が診断や治療のための行為に対する報酬が非常に低く抑えられ、一方、薬に関しては、処方護に薬の種類と量を増やせば、差益がどんどん増えていく。これらを背景に、結局、医師は薬を必要以上に多く出してしまうという傾向が強く出てきました。

それでも医薬分業が明確であり、薬剤師が医師とは独立して第三者的に管理するスタンスと能力を確立しておれば、そういうことは起こさせません。

「これは無駄な薬じゃないのですか?」「副作用が起きていないか?」というようなことで、チェックできると考えられますが、これがまったくできていませんでした。

医師の指示の下でしか薬剤師は働けない状態であり、チェックができません。そのために、世界的に稀に見る、薬が多く使われた国になり、薬害も多く生み出すことになりました。

厚生省は、このような状況を打開するために、ひとつは薬を処方箋に書くことでは利益が出ないような仕組みに変える、もうひとつは医薬分業を実質的なものにし、医師が出した処方箋を薬剤師が第三者的に評価していく、あるいは監視していくような制度を作ること、この2つがどうしても必要だということで、医薬分業体制を実質化させることが企図された。

医薬分業は、事実上、国による政策誘導、利益誘導を主な力として進められました。即ち、医師に対しては、処方箋を出すことに対し報酬を付け、一方で、薬価を下げ、薬価差益を小さくするという政策をとり、医師自らが薬の種類と量を処方の中で増やすことで収入が多くなるという背景を抑制しました。

このように、強力な政策誘導、利益誘導によって、分業が進んできました。医薬分業制度は、経済的な面では見かけ上目的を果たした面もありますが、一方、医師が出した処方筆を薬剤師が第三者的に評価していく、あるいは監視していくという内実面の目標に対する成果が弱いままで、分業が進行するという傾向を有していました。

全国平均で6割を超える処方箋は院外に出ています。

病院から出せない処方箋があるので、院外に出るのは最大が7割台だといわれており、ほぼ院外に出る条件の処方箋は院外に出て行っている状況にまで到達してきています。

これは数十年の歴史を経てきた結果です。

参考になさってください。

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