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薬剤師は景気の好不調の波を受けにくい人気の業種です。しかし、人生の多くの時間を費やすわけですから、やはり、よりよい処遇・よりよい人間関係・よりよい職場環境を求めたいものです。一度しかない人生です。ユーザーのみなさまが、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

コラム:病院における薬剤師の役割「世界の薬剤師の動向」

それでは、世界ではどうなのでしょうか。1990年に世界的には薬剤師の活動を大きく変換させる動きが取られました。

そのときに打ち出されたのが、ファーマシューテイカル・ケア(Pharmaceutical Care)という概念です。それまで、世界でも薬剤師は処方箋を中心に調剤をする活動に限定されている傾向が強かったですが、1980年の後半から、患者のQOLを改善するため、はっきりとした結果を示す薬物治療を、薬剤師が責任を持って遂行しようという意識と概念が主張されてきました。

患者に対し、医療施設と協力して、特定の治療効果をもたらす薬物治療の方針を計画、実施、モニターすることが薬剤師の基本的な仕事ではないかということが強調されました。そのために、今までのいわゆる狭義の調剤という行為の中の、薬剤師でなくても行える部分は、思い切って薬剤師の仕事から切り離すことを決意し、制度を変える国も出てきました。

この様に、薬剤師はファーマシューテイカル・ケアを実践するプロフェッショナルだという位置づけに変えてきました。

日本が医薬分業を実質的な制度としなければと、行政が引っ張っていたときと、ちょうど時期が一致しています。

FIP(世界の薬学連合)という薬剤師の集まりの組織が2006年に出した文書に、次のような文が引用されています。

「薬剤師は単に調剤行為のみを行っている時代ではない。調剤行為のみでは薬剤師に未来はない。ヘルスケアプロフェッショナルとして教育され、行動を行うことが、薬剤師が薬局内から出て新たなサービスを世の中に提供するための基礎条件である。」

だから、その教育を世界中でやろうという呼びかけです。これが世界の薬剤師の会の基本的な教育の考えになっていることは知っておく必要があります。

・ファーマシューテイカル・ケアの概念

患者のQuality of Lileを改善するためはっきりとした結果を示す薬物治療を、資任をもって遂行することである。

1.疾病の治療

2.患者の症状の除去又は軽減

3.疾病の進行を止めたり、遅らせたりすること

4.疾病又は症状の予防

薬剤師が患者や他の医療職種の人々と協力し、当該患者に特定の治療効果をもたらす治療方針を計画、実施、モニターする。

1.実際に使用する又は想定している医薬品に関係した諸問題をはっきりさせること

2.実際の医薬品に関係した諸問題を解決すること

3.想定される医薬品に関係した諸問題の発生を未然に防止すること

参考になさってください。

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