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薬剤師は景気の好不調の波を受けにくい人気の業種です。しかし、人生の多くの時間を費やすわけですから、やはり、よりよい処遇・よりよい人間関係・よりよい職場環境を求めたいものです。一度しかない人生です。ユーザーのみなさまが、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

コラム:病院における薬剤師の役割「育薬の実際(ランソプラゾールを例に)」

ランソプラゾールは、武田薬品工業により、1984年に合成され、一連の開発を経て1992年に「タケプロン」の商品名で販売開始となった国産のプロトンポンプ阻害薬です。

発売当初の効能・効果は「胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、Zollinger-Ellison症候群」と「逆流性食道炎」でした。

発売時、開発時の非臨床試験(動物実験)で長期使用により高ガストリン血症とそれに続く胃粘膜のカルチノイド腫瘍が報告されていたため、投与期間に制限が設けられました。

販売開始後も、新たな効能・効果について臨床試験が続けられ、2000年に「ヘリコパクター・ピロリ菌の除菌の補助」と「再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法」が認められました。

さらに、2006年に「非びらん性胃食道逆流症」、2010年には「低用量アスピリン投与時における胃潰瘍または十二指腸潰瘍の再発抑制」と「非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍または十二指腸潰瘍の再発抑制」が承認されました。

一方、剤形についても当初のランソプラゾール30mgは、おおきめの1号カプセルでしたが、2002年に口腔内崩壊錠が発売され、2004年にはカプセルも3号と小さくなり服用しやすくなりました。

また、2006年には注射剤が発売となり、現在にいたっています。

副作用については、タケプロンのインタビューフォームに承認時(治験)の調査と製造販売後調査の結果が記載されており、承認時では、記載のなかったいくつかの副作用が製造販売後の調査で、明らかになっていることが分かります。

現在では、ランソプラゾールの光学異性体であるdexlansoprazoleが承認されています。

また、ランソプラゾールは、2005年から後発品も発売され、現在25品目が市販されています。

このように育薬では、新薬の新たな効能・効果の発見と実証や新たな副作用の収集、剤形の改良などを通じて、より安全で有効な薬として育てることであり、製薬企業のみならず、医療関係者、とりわけ薬剤師の使命のひとつです。

参考になさってください。

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