トップページ > コラム:薬剤師を取り巻く環境「薬局数が減っていく理由」

薬剤師は景気の好不調の波を受けにくい人気の業種です。しかし、人生の多くの時間を費やすわけですから、やはり、よりよい処遇・よりよい人間関係・よりよい職場環境を求めたいものです。一度しかない人生です。ユーザーのみなさまが、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

コラム:薬剤師を取り巻く環境「薬局数が減っていく理由」

当面、薬局数が増加基調で推移する理由は二つです。

第一は、大手調剤薬局チェーンを中心とするシェア競争が継続することです。前述したように、日本の調剤薬局の多くが中小零細薬局によって占められ、大手が参入する余地が残っています。さらに地域的にも関西、北陸は他地区に比べて分業率が低く、まだまだ処方せんが伸びる可能性があります。

こうした地区を中心とする出店はまだ続くと見られます。

第二には、ドラッグストアの調剤参入があります。ドラッグストア数は現在、人口8000人に1店舗の割合で存在していますが、超高齢社会を睨んで4000人に1店舗という狭小商圏での展開を狙っています。

それによって現在の市場規模を倍増し、10兆円産業化を目指しています。当然、多くが調剤併設型店舗となります。既存の調剤薬局が門前薬局など「点」の展開であるのに対し、ドラッグストアは商業立地、住宅立地、駅中立地など「面」での処方せん受け入れが可能になるという優位性があります。

この二つの理由から当面、薬局数は増えると考えられます。

一方、将来的にはどうでしょうか。

少子高齢化はますます進行し、消費財を中心とした市場の縮小は続くでしょう。

しかし、医療や医薬品など健康関連のニーズは人口減にもかかわらず増加するのではないかとの見方があります。

国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、現在の人口1億2800万人から48年には1億人を割り込み、60年には8600万人になると予想しています。

65歳以上の高齢者人口の割合は現在の23%から25年に30%、60年には39%まで高まりますが、絶対数では2900万人からじわじわ増えて3600万人(20年)、3700万人(33年)、3800万人(38年)まで増加し、徐々に減少します。

このように見ると、医療・介護など健康関連のニーズは高まっていくことが確実です。

しかし、薬局数がそれに伴って増加していくとは考えにくいと言えます。医療提供体制は、「1病院完結型」の医療から「地域完結型」医療へとシフトし、医療・介護・生活を地域で行う地域包括ケアシステムヘと移ります。

従って、薬局の立地は門前から徐々に地域へと移らざるを得ませんが、これに対応できる薬局は限定されます。大手調剤薬局は徐々に出店立地を門前から面対応へとシフトしていますが、中小薬局は資金的な事情もあり、簡単ではありません。

参考になさってください。

>>>薬剤師転職サイト比較/口コミ人気ランキング

目次

トップページ
薬剤師/転職・求人サイト比較
生き残る薬剤師とは?
丸分かり!薬剤師
薬剤師の転職に関するアドバイス
薬剤師に関する基礎知識
病院における薬剤師の役割
薬剤師とセルフメディケーション
薬剤師と地域医療
薬剤師を取り巻く環境
地場薬局の未来
薬剤師関連ニュース

口コミを投稿する