薬剤師は景気の好不調の波を受けにくい人気の業種です。しかし、人生の多くの時間を費やすわけですから、やはり、よりよい処遇・よりよい人間関係・よりよい職場環境を求めたいものです。一度しかない人生です。ユーザーのみなさまが、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。
現在の薬局の多くは、分業の黎明期から発展期に創業しており、比較的歴史が浅いです。
創業者の多くが60歳代に差し掛かり、「代替わり」の時期を迎えています。後継者がいる薬局はともかく、後継者がいない場合にはのれん分けや譲渡、廃業のいずれかに向かうこ
とになるでしょう。
ただし後継者がいたとしても、これまでの薬局経営の環境とは一変する中で企業存続を図ることは容易なことではありません。
特定の医療機関からの処方せんを応需し、薬局内の業務だけで事足りていた時代から、地域完結型医療、地域包括ケアシステムに移行する中で在宅医療、介護、セルフメディケーション等々まで踏み込んだ新しい機能を備えた薬局が求められる時代に移っていくのです。
まさに、「顧客(地域生活者)のニーズ」に対応できない薬局は淘汰される運命にあります。
この時に薬局は存続か、淘汰かの岐路に立たされることになります。
また、薬局に勤務する薬剤師も同様といえるでしょう。現状は「ともかく薬剤師が足りない」事情から「売り手市場」の真っただ中にあります。薬剤師不足は前述のように、当面増加する薬局側の需要から、ここ数年は続いていくものと見られます。
しかし、地域完結型医療に移り、本格的に薬局の再編・淘汰が始まった時、「免許だけの薬剤師」「調剤だけの薬剤師」が、果たして必要とされるでしょうか。専門的な知識・技能はもちろんコミュニケーションスキルを備えた「医療人」としての感性を持つ薬剤師が必要とされるはずです。
従って、薬剤師は自分が働く薬局を見極める場合、新しい医療提供体制、地域包括ケアに対応する経営ビジョン、経営方針を持っているかどうか、さらに自分がスキルアップできる企業風土が確立されているかどうかを慎重に見極めることが必要です。
待遇、知名度、転勤の有無等、目先の損得で選択する傾向が依然として強いですが、それは薬剤師自身が自らの職能を狭める結果になります。
数字の上では過剰になっている薬剤師数が、実態としても過剰になる時代が遠くない将来に現実のものとなります。
参考になさってください。
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