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薬剤師は景気の好不調の波を受けにくい人気の業種です。しかし、人生の多くの時間を費やすわけですから、やはり、よりよい処遇・よりよい人間関係・よりよい職場環境を求めたいものです。一度しかない人生です。ユーザーのみなさまが、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

コラム:薬剤師を取り巻く環境「ドラッグストアの歴史」

多くの業種・業態が低迷する中で、数すくない成長業態がドラッグストアです。

ドラッグストアとは何でしょうか?簡単におさらいしてみましょう。

ドラッグストアはわが国の流通業界では比較的新しい業態です。1970年代に勃興し、1990〜2000年かけて急成長を遂げました。その背景にはスーパーマーケットの台頭や再販制度撤廃などの規制緩和、クルマ社会に代表される豊かで便利な生活を求める生活者ニーズの変化がありました。

ドラッグストアの創業者の多くは既存の薬局・薬店出身者ですが、社会・経済環境の変化を見据え、「旧来の医薬品小売業に不安を抱いた」「旧態依然の商慣行を打破しようとした」ことを共通項に持ちます。

彼らは流通業の先進国であるアメリカに学び、日本型のドラッグストアづくりに邁進しました。

ドラッグストアは、医薬品・化粧品を中心とした既存の薬局・薬店の品揃えから脱皮し、日用雑貨、生活消耗品を幅広く取り揃え、低価格でセルフ方式の販売形態をとりました。「菜種 店」である既存の薬局・薬店に対し、ドラッグストアは「H&BC(ヘルス&ビューティケア)+コンビニエンス」という「業態店」を目指したのです。

「業種店」とは肉屋、魚屋、八百屋、薬屋など生産体系ごとに品揃えされている店舗であり、生産体系別小売業と位置付けることができます。

これに対して「業態店」は取り扱う商品の種類ではなく、「どのようなサービスを提供するか」という購買者視点の店舗を指します。

コンビニエンスストアは日常生活に必要な商材や時間のサービスを提供し、スーパーマーケットは食生活のニーズに応える店舗という位置付けです。

さて、ドラッグストアは当初、既存の薬局・薬店との軋轢の中で彼らを席巻し、次いで郊外立地への進出や品揃えの拡充などによって他業態との競争を生き抜いてきました。各社がローカルチェーンにとどまっていた当時の主な競争相手は既存の薬局・薬店でしたが、ナショナルチェーンに成長する中でドラッグストア同士の競争が始まりました。

このような過程を経て今日のドラッグストアが存在しているわけですが、その成長は目覚ましく、2000年度に2兆6000億円だった産業規模が11年度には5兆8000億円と倍以上の成長を遂げています。

ただ、ここにきて環境が激変してきています。総人口・世帯数の減少、高齢者人口の増加によって日常生活を支えてきた商品の需要(コモディティマーケット)が激減しています。

一方で健康ニーズや高齢者の医療・介護ニーズが高まる見通しです。

こうした中で2009年に医薬品(大衆薬)の販売形態を見直した改正薬事法が施行されました。改正薬事法は、薬剤師の存在をあいまいにしたまま医薬品販売を手掛けてきたドラッグストアにも衝撃的な出来事でした。

加えて、2000年から02年にかけて多くのドラッグストアで薬剤師不在問題が表面化し、厚労省の指導を受けました。このことが改正薬事法で「登録販売者」という新資格者が登場する布石になったのです。

参考になさってください。

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