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薬剤師は景気の好不調の波を受けにくい人気の業種です。しかし、人生の多くの時間を費やすわけですから、やはり、よりよい処遇・よりよい人間関係・よりよい職場環境を求めたいものです。一度しかない人生です。ユーザーのみなさまが、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

コラム:薬剤師を取り巻く環境「調剤薬局の商圏が変わる」

薬局業界は中小が淘汰され、大手に席巻される時代に突入しました。規模(スケールメリット)、システム、資金力、人材等々から大手に有利に働くのは間違いありません。

私たちが至る所で目にするコンビニエンスストア。それでも全国で4万5,000店舗に過ぎません。対して薬局数は、約5万4,000店舗と1万も多いのです。このほかに薬局以外の医薬品販売業(ドラッグストア、薬店の合計)は2万2,000店舗があり、合計で7万6,0000店舗を超えます。

ドラッグストア数は1万6,000店舗ですが、すでに飽和状態に陥っています。このため、ドラッグストア各社は商圏人口を現在の8,000人から半分の4,000人に設定して狭小商圏での展開を狙っています。

超高齢社会では郊外に多い大型ショッピングセンターなどへのアクセスが困難になることから、自転車や徒歩で10分以内にアクセスができ、ヘルスケアから日常生活全般をカバーするライフサポート業態へと転換する方向性を打ち出しているのです。

へルスケア分野では面での処方せん受け入れや在宅医療・介護も視野に入れます。コンビニは、業界内の競争や高齢社会に伴う環境変化の対応策として、生鮮食品や日配品を強化、女性客やシニア層の吸引を図り始めました。コンビニは、これまでも宅配やATM機能などを付加して利便性向上を次々に打ち出してきましたが、最近は独り暮らしのシニア向けの惣菜なども充実、明らかにスーパーの小型化戦略をとり始めたのです。

一方、コンビニに追われるスーパーは、小型のフォーマットを開発してシニア世代を取り込むなどの戦略で対抗。一般的にコンビニの商圏は半径500メートル、商圏人口3,000人。小型スーパー は半径1キロ、商圏人口は1,500世帯を対象としています。

それでは、調剤薬局はどうでしょうか。

調剤薬局の多くが病院や診療所前の門前に店舗を構えています。1薬局当たりの人口は2,300人余りですが、このうち処方せんを持参する患者数を考えれば、対象人口は大幅に減少すします。

このような業態特性は、国を挙げての医薬分業推進時代があったからこそ可能だったともいえます。

病院や診療所の門前で調剤薬局を展開する経営者の多くは分業元年(1974年)以降、1980〜90年代に創業したケースがほとんどです。多くは、かつてはプロパーと呼ばれた製薬企業の営業職であるMR(医薬情報担当者)からの転身組です。

前職がMRだっただけに医師とのコネクションを武器に薬局経営に乗り出したというわけです。

しかし今日、国のバックアップは影を潜め、分業の費用対効果についても各界から問題提起されるに至っています。それぞれの薬局で生き残り戦略がますます重要になっている、ということですね。

参考になさってください。

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