トップページ > コラム:薬剤師を取り巻く環境「在宅患者ニーズを掘り起こせ」

薬剤師は景気の好不調の波を受けにくい人気の業種です。しかし、人生の多くの時間を費やすわけですから、やはり、よりよい処遇・よりよい人間関係・よりよい職場環境を求めたいものです。一度しかない人生です。ユーザーのみなさまが、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

コラム:薬剤師を取り巻く環境「在宅患者ニーズを掘り起こせ」

政府は医療提供体制について、病院機能の集中化と連携の方向を打ち出しています。

すなわち、病院機能は急性期や高度医療に特化し、長期入院は地域での受け入れを促進し、外来は極力、診療所や在宅に回す政策です。

高齢者人口の増加に伴う医療、介護、日常生活を支えるための地域包括ケアシステムを強力に進めようとしているわけですが、これは「1医療機関完結型医療」から「地域完結型医療」へのシフトであり、患者は施設や居宅等により多く流れるようになります。

このような状況にあって、薬局・薬剤師が新たな医療提供体制、地域包括ケアシステムにどのように関わっていくのかが問われています。薬局が医療提供施設に、薬剤師は医療の担い手として位置付けられた意味合いもここにあるといっていいです。

今後の薬局は地域医療計画に盛り込まれる「5疾病・5事業および在宅医療」にどう向き合うのか、訪問看護ステーションや訪問診療所との連携、麻薬の取り扱いによる終末期医療への参画、認知症やうつ病の予防と早期発見などの相談機能等々が求められているのです。

薬局は、在宅患者に向き合うことで、新たな処方せんが発掘できます。当然、調剤だけではなく医薬品の専門家として他職種との連携の中で服薬管理、剛作用発見等の役割を担うことになります。

在宅における高齢者の服薬管理は本人のほか、介護事業者がより多くの場面で管理していることが分かっています。

しかし、訪問看護師やヘルパーが、例えば「1日3回、食後服用」の都度立ち会っているわけではない上、薬に素人が関与することの危うさもあります。本人が管理しているケース、配偶者が管理しているケースもありますが、老老介護の中で十分な服薬管理ができるかどうか。

ここに薬剤師が関与することで在宅の服薬状況は著しく改善されます。

2012年度診療報酬・介護報酬同時改定の議論で示されたデータでは、在宅に飲み残しが500億円もあり、薬剤師が関与することで400億円もの改善効果があったことが報告されています。

実際には「在宅の飲み残しはその10倍もある」との指摘もあります。

また、施設の入所者も大部分が医薬品を服用しています。

多くは4〜6種類ですが、中には10種類も服用しているケースもあり、医療費節減だけでなく、患者のQOL向上のためにも在宅現場における薬剤師の関与が求められています。

参考になさってください。

>>>薬剤師転職サイト比較/口コミ人気ランキング

目次

トップページ
薬剤師/転職・求人サイト比較
生き残る薬剤師とは?
丸分かり!薬剤師
薬剤師の転職に関するアドバイス
薬剤師に関する基礎知識
病院における薬剤師の役割
薬剤師とセルフメディケーション
薬剤師と地域医療
薬剤師を取り巻く環境
地場薬局の未来
薬剤師関連ニュース

口コミを投稿する