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薬剤師は景気の好不調の波を受けにくい人気の業種です。しかし、人生の多くの時間を費やすわけですから、やはり、よりよい処遇・よりよい人間関係・よりよい職場環境を求めたいものです。一度しかない人生です。ユーザーのみなさまが、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

コラム:薬剤師を取り巻く環境「突合点検・縦覧転換の影響」

支払基金では、2012年から、同一保険医療機関・同一患者に係る同一診療(調剤)月において、医科レセプトまたは歯科レセプトと調剤レセプトを電子的に照合する「突合点検」、同一保険医療機関・同一患者に係る当月請求分と過去複数月のレセプトおよび入院と入院外レセプトを照合する「縦覧点検」を開始しました。

従来は1500点以上の調剤レセプトのうち、保険者が指示したレセプトが点検の対象であったものを、医科、調剤ともに電子レセプトの場合、すべての調剤レセプトと医科レセプトを突合し、調剤レセプトに記載されている医薬品の適応症が医科レセプトに記載されているか、投与量が適当かといったチェックが原審段階で実施されるようになったのです。

突合点検は以下のような手順で行われます。

1.処方せんを発行した医療機関のレセプトとその処方せんに基づいて調剤を行った薬局のレセプトを、コンピュータを用いて患者単位に紐付け。

2.医療機関のレセプトに記載された傷病名と調剤レセプトに記載されている医薬品の「適応」、「投与量」、「投与日数」を点検。

3.点検後の審査の結果、査定がある場合は、
  ・調剤が不適当な場合は薬局への支払額から差し引く。
  ・病名漏れなど、処方せんが不適当な場合は、医療機関への支払額から差し引く。

さて、2012年に社会保険診療報酬支払基金がレセプト審査に導入した医科・歯科と調剤の突合点検と縦覧点検について、3月審査分の確定結果が公表されました。

それによると、「突合点検」による査定は10.5万件の3,102万点、「縦覧点検」による査定は1.4万件の423万点でした。

医科・歯科合計による突合点検と縦覧点検の状況を加味した前年同月比を見ると、件数で129.5%、点数で128.2%となっており、明らかに件数、点数ともに3割程度増えていることが分かります。

審査の精度が上がったこと、調剤レセプトと突合することで従来見えていなかった不具合が露呈した結果といえます。「これまでは通っていたのに、なぜ今回は査定されるのか」といった疑問が生じますが、これは従来見逃されていたものが明らかにされた結果です。

薬局ではこうした認識がまだ薄い点が気がかりです。

参考になさってください。

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