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薬剤師は景気の好不調の波を受けにくい人気の業種です。しかし、人生の多くの時間を費やすわけですから、やはり、よりよい処遇・よりよい人間関係・よりよい職場環境を求めたいものです。一度しかない人生です。ユーザーのみなさまが、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

丸分かり!薬剤師7「薬剤師の調剤業務の中身は?」

薬剤師の調剤業務の中身は?

調剤というと、薬局で薬剤師さんが処方せんを見ながら、錠剤を選んだり数えたりしている業務、といったイメージがありますが、たしかにそれも調剤業務のなかの一つですが、粉薬を量ったり錠剤を数えたりというだけが調剤ではありません。調剤とは、医師が記載した処方せんを見て、科学的・薬学的・医学的・法的に問題がないか検討・確認したのち、その処方せんに書かれているとおりに薬を調製して渡す、という一連の流れをいいます。

処方せんとは、医師が特定患者の病気治療のために作成した、薬の調合法・服用法の指示書のことです。処方せんに記載しなければならない事項(患者の氏名・年齢・薬名・分量・用法・用量・発行年月日・医師の署名捺印または記名)は法律で定められています。処方せんには、外来処方せん、入院処方せん、麻薬処方せん、注射処方せんなどがあります。

調剤は、薬剤師の資格を持っている者しかできない業務です。これを薬剤師の占有業務といいます。ただし、薬剤師が患者さんに適した薬を勝手に調剤したり、医師の処方せん内容を勝手に変えたりすることはできません。薬剤師法により、調剤は医師の処方せんにもとづいて行うということが義務づけられているのです。

しかし、処方内容にミスがあると思われる場合や疑問がある場合、処方せんに書いてあるからといってそのまま調剤してしまってもいけません。調剤には処方せんどおりの薬をそろえるというだけでなく、処方せんの内容にミスがないかチェックする大切な目的もあります。

調剤のミスは絶対にあってはならないことなので、正確に行うことが要求されます。また、調剤した薬剤師とは別の薬剤師が再度チェックを行う(鑑査)など、ミスを防ぐための工夫がなされています。薬局での調剤業務の流れは次のようなものです。

1.処方せんのチェック(処方鑑査)

法律で決められている記載事項が記入されているかを確認、医薬院名。投与剤形(錠剤・散剤・水剤など)、患者の年齢や状態に適した用量・用法であるかを確認、患者の薬歴(体質・アレルギー・服薬状況などの記録)を確認、保険調剤か保険外調剤かを確認、相互作用がないかを確認、副作用についてを確認。

2.薬袋の作成

法律で決められている記載事項(患者の氏名、用法、用量、調剤年月日、調剤した薬剤師の氏名、調剤した薬局の名称および所在地)を記入。その他必要があれば、保管法(例:冷所保存)、服用等の注意点なども記載。

3.調剤

処方せん内容にしたがって、記載されている薬剤をそろえる。症状に応じて剤形を変える(例:錠剤やカプセルを粉砕する場合も)。

4.鑑査

調剤を行ったものとは別の薬剤師が、内容に間違いがないか鑑査を行う。処方せん内容を確認(処方鑑査と同様)、薬袋の記載内容を確認、処方せんと調剤薬を照合、秤量、個数を確認、内容を確認(色、におい、目盛りなど)、調剤薬剤の混合状況、必要器具の添付の有無などを確認。


処方せんと調剤の流れ

病院から出た処方せんに基づいて、患者に薬が受け渡しされる流れはこのようになります。

 病院
  ↓<処方せん>
 薬局
  ↓
 処方せんの受付(薬局店頭)
  ↓
 薬歴の確認または薬歴の新規作成
  ↓
 処方せんのチェック(処方鑑査) → 疑問があれば病院に照会
  ↓
 薬袋の作成
  ↓
 調剤(調剤室)
  ↓
 鑑査
  ↓
 薬歴の記録・保管
  ↓
 服薬指導(薬局店頭)
  ↓
 薬の受渡し


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