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薬剤師は景気の好不調の波を受けにくい人気の業種です。しかし、人生の多くの時間を費やすわけですから、やはり、よりよい処遇・よりよい人間関係・よりよい職場環境を求めたいものです。一度しかない人生です。ユーザーのみなさまが、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

コラム:薬剤師とセルフメディケーション「衣食住から医・衣・食・住へ」

生活の基本は何かといえば、昔は「衣・食・住」と答えました。

日本は敗戦の廃墟の中から、全国民が衣食住を求めて努力し、世界でも有数の経済大国に成長しました。

生活が豊かになり、心にゆとりができれば、理想的な社会が築かれると人々は期待しましたが、現実は甘くはありません。

生活のメドがついたものの、高度成長が止まり経済が停滞すると、新たな不安が生じてきます。不安や恐怖はいろいろありますが、生命への脅威が底辺にあります。

最大なものは災害で、自然災害と人為災害があり、前者の代表が地震、風水害、後者は戦争を頂点とする犯罪です。

災害は築きあげた資産を破壊し、大きな物理的、心理的損失を与えます。災害を防ぐには人間の英知と連帯が必要であることを歴史は教えています。

人間を襲うもうひとつ大きい恐怖が疾病です。疾病は死へつながるからです。「病」は古今東西、人々を苦しめてきました。

苦しみを逃れるため人間は様々な模索と努力を続け、それは祈祷や宗教にもつながりました。

やがて病の原因を探り、それを排除する智恵を得ましたが、「くすり」はその代表です。

科学技術の驚異的発展によって医療は大きく進歩し、多くの「病」を治療し克服するまでになりました。

それならば現代人は「病」の恐怖から免れたのでしょうか。

病原微生物に対する抗生物質製剤や血圧や身体の代謝機能を調整する医薬品の登場によって感染症や代謝性疾患による死亡率は低下し、平均寿命は確かに延びました。

しかし、疾病に対する死亡率の低下や寿命の延長は必ずしも不安や恐怖の解消につながってはいません。

急性期疾患による死を免れても、老化による身体の機能低下が実感されますし、生活習慣病と呼ばれる慢性疾患によって健康が脅かされます。

身体的な面ばかりでなく、高齢者介護のため、勤めを止めざるを得ない人や救急や産科医師の不足による不安、さらにそれに要する家庭、地域自治体、国の財政負担が深刻な問題となっています。

このように考えると現代人が一番心配することは健康といってよいのかもしれません。

衣食住が生活の必要条件であることは否定しませんが、それらが確保された段階で人々が欲するのは健康を保障してくれる施策であり、安心して暮らせる社会の要件なのです。これは日本に限らず、開発途上国も含め世界共通の願いで、現代では衣食住に優先するといってよいと思います。

施策を代表するのが医療であることから生活の基本は医・衣・食・住と考えてもいいのかもしれません。

参考になさってください。

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