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薬剤師は景気の好不調の波を受けにくい人気の業種です。しかし、人生の多くの時間を費やすわけですから、やはり、よりよい処遇・よりよい人間関係・よりよい職場環境を求めたいものです。一度しかない人生です。ユーザーのみなさまが、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

コラム:薬剤師とセルフメディケーション「居宅療養の現場」

実際に行っている居宅療養における薬学的指導についての事例で言える事は、病気に対する愁訴は聞き取りを行いその対応に努めていたが、QOLの低下を招き、結果として転倒の危険性が増加した、医療関係者との関係が悪化したなどの障害が生じてしまっているという事です。

入院療養生活では説明がなくても我慢して納得する、少し不便でも入院しているのだから仕方がない、病院ではわがままは無理だから我慢する、入院前の様に治っていないのに退院だと言われたなどの不平不満が存在しますが、患者側が我慢することで問題が大きくならずに過ごしてしまっています。

在宅においては、これらの不満が率直に表現される事になり、病棟薬剤師以上に説明や指導が必要になってきます。

また、入院カルテの閲覧に替わる情報収集を常に行わないと、先に挙げた事例の様にQOLの低下を招きかねない状況に陥ってしまいます。

そこで、居宅療養管理指導を行うにあたり有用な、介護関連の情報入手について記述しておきましょう。

皆さんもケアマネジャーという名称を聞いた事があると思います。

ケアマネジャーは介護保険の調整役として活躍しており、患者(介護保険では利用者と呼ぶ)のアセスメント表やその患者に関係する介護事業所によるサービス担当者会議録と呼ばれるカンファレンスシートを持っています。

また、介護保険の要介護度認定時に実施された訪問調査書・主治医意見書のコピーや退院時カンファレンスで使用される看護サマリー・リハビリ計画書・診療情報提供書などを持っている事も少なくありません。

また、患者宅を訪問すると、実際に援助に入っているヘルパーに会う機会も多いです。

このヘルパー事業所にいるサービス提供責任者も多くの患者情報を持っているので、情報の入手先として適切です。

加えて訪問入浴提供者には看護師が同行している事も多く、入浴時の全身症状に対する情報や皮膚疾患や外用薬の効果についての情報も得られる事があります。

もちろん訪問看護師がいるのであればなおのことです。

患者がスムーズに在宅療養へ移行する為に他職種連携が必要だと記載しましたが、我々薬局薬剤師が居宅療養管理指導を的確に実施する為にも他職種連携が必要条件となる事を理解いただけるでしょうか。

介護従事者とコンタクトを取ることに対する抵抗感はかなり強いと判断されます。

実際、日本医師会の実態調査においても訪問看護師や病院医師との連携は取りやすいが介護職との連携、特に会議への出席などカンファレンスを通じた連携は困難だとされています。

薬局薬剤師も同様で主治医や訪問看護師との連携は取りやすいが介護職との連携は取りにくいとの意見も多く言われています。

退院調整にあたり看護師やケースワーカーが活躍しますが直接医師がその業務に携わる事は稀です。

であれば、在宅における療養のコメデイカルとして看護師と同様に垣根を取り払い介護職との連携を薬剤師が率先して図るべきです。

参考になさってください。

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