トップページ > コラム:薬剤師とセルフメディケーション「セルフメディケーションと国民皆保険制度」

薬剤師は景気の好不調の波を受けにくい人気の業種です。しかし、人生の多くの時間を費やすわけですから、やはり、よりよい処遇・よりよい人間関係・よりよい職場環境を求めたいものです。一度しかない人生です。ユーザーのみなさまが、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

コラム:薬剤師とセルフメディケーション「セルフメディケーションと国民皆保険制度」

安心して生活できる社会を構築するのは各国にとって重要な課題です。

20世紀の近代国家は法制度によってこれを保障しようと努めてきました。

日本は戦後、将来の理想を高く掲げて新しい憲法を制定しましたが、第25条に国民は健康で文化的な最低限度の生活の権利を有するとし、さらに同2項に国は社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならないと明記しています。

これが、年金・医療・福祉(介護)の社会保障政策の根幹となり、1961(昭和36)年国民皆保険制度が成立しました。世界に類がなく奇跡とさえいわれる医療保険制度が定着した背景にはいくつかの幸運に恵まれたといわれます。

1.戦争による犠牲者が多く、受益者となる高齢者の絶対数が少なかった。

2.急速かつ持続的な経済成長により、企業、労働者の収益や給料が伸び、税金や保険料の負担を吸収できた。

3.国民に自助努力の精神と風土が残っていた。

一般的には1、2が定着していますが、3の重要性を軽視してはいけません。

病気になったら大変だ、少しでも健康に注意しよう、家族も3世代が一緒に暮らしていた時代では、小さな子供が熱を出してもすぐ医者に駆けつけないで、水枕をあてて様子を見ることが普通でした。

おばあさんの過去の子育ての経験が継承され機能していました。

下痢が続いても、熱がなければ「梅干入りの番茶」を飲ませます。殺菌した湯で下痢によって喪失した水分を補い、合わせて梅干の塩分が電解質の補充となり、番茶のタンニン成分が腸の収斂作用にもなるという生活の知恵が見事に凝縮して活用されていました。

国民が健康に気をつけ、小さいけがや病を早めに治す、そしていざとなったら安心して保険医療を受ける。国民と政府(国)の役割分担が円滑に行われたことが国民皆保険を定着させました。

その功績は大きいのです。

参考になさってください。

>>>今月の薬剤師転職サイト比較/口コミ人気ランキングはこちら

目次

トップページ
薬剤師/転職・求人サイト比較
生き残る薬剤師とは?
丸分かり!薬剤師
薬剤師の転職に関するアドバイス
薬剤師に関する基礎知識
病院における薬剤師の役割
薬剤師とセルフメディケーション
薬剤師と地域医療
薬剤師を取り巻く環境
地場薬局の未来
薬剤師関連ニュース

口コミを投稿する