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薬剤師は景気の好不調の波を受けにくい人気の業種です。しかし、人生の多くの時間を費やすわけですから、やはり、よりよい処遇・よりよい人間関係・よりよい職場環境を求めたいものです。一度しかない人生です。ユーザーのみなさまが、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

コラム:薬剤師とセルフメディケーション「セルフメディケーションの定義」

セルフメディケーションという言葉を正確に表現する日本語はありません。

セルフとは自分、自己という意味であり、メディケーションは治療という意味の医学用語です。

訳せば「自己治療」となりますが、意図することは語感の印象と少し異なります。

WHOは「自分自身の健康に責任を持ち、軽度の身体の不調は自分で手当てする」と定義していますが、具体的な実践になると職能や団体によって目的や範囲が微妙に違っています。

医療は病者には必要ですが、それ以前の健康の自己管理が重要なことはいうまでもありません。

自分で手当てするためには道具や医療材料を使用することになりますが、医療用医薬品は医師の指示が必要ですから使用するのは一般用医薬品(OTC医薬品)に限られます。

医薬部外品やサプリメントなどを活用することもあります。

不調を把握するために自覚以外に体温計や血圧計を使う=セルフチェックは問題ありませんが、高度な医療器具を操作することは難しいです。

このようにセルフチェックとOTC医薬品等を使って手当てすることを狭義のセルフメディケーションの範囲とします。

一方、古来から伝統的に受け継がれてきた療法があります。

日本においては、歴史的に漢方や和方と称される東洋医学関連のものが普及しています。

最近、世界各地の伝統医学が紹介され、効用、評価について様々な議論が行われています。

自分自身の健康維持に重点を置くと、治療より予防が優先するので日常生活を健全化して、食事と運動を基本に考えようとします。

正しい睡眠や休養の必要性を強調し生活改善をという主張は健康増進法の趣旨とも一致します。

このように拡張した範囲を広義のセルフメディケーションと呼んでいます。

重要なことはセルフメディケーションの主体は国民ひとりひとりであって、行政でも業界でも医療関連団体でもありません。

国民がセルフメディケーションをどのようにとらえているかについて正確な調査がありませんが、かなり個人によって相異があると推測されます。

健康維持には食事と運動が基本という認識は共通していて、それでも身体の不調を自覚した場合とるべき行動を準備するのがセルフメディケーションです。

OTC医薬品の出番は緊急出動と考えた方が適切です。

参考になさってください。

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