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薬剤師は景気の好不調の波を受けにくい人気の業種です。しかし、人生の多くの時間を費やすわけですから、やはり、よりよい処遇・よりよい人間関係・よりよい職場環境を求めたいものです。一度しかない人生です。ユーザーのみなさまが、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

コラム:生き残る薬剤師とは?「共同薬物治療管理=CDTM」

医師が診断し、その診断を前提として長期にわたる慢性疾患の薬物療法を薬剤師が管理する共同薬物治療管理(CDTM=Collaborative Drug Therapy Management)が注目されています。

CDTM先進国のアメリカでは、1970年代にカリフォルニア州、ワシントン州で始まり、現在では47の州で採用されるに至っています。

CDTMの内容は州によって多少異なりますが、多くは慢性心臓疾患、高血圧、糖尿病、血栓塞栓症、心不全、喘息、予防接種などが対象となっています。これらは病院薬剤師が中心に担っていますが、地域の薬局においても緊急避妊、禁煙、旅行医学(伝染病の予防接種)、予防接種などが実施されています。

CDTMでは、処方の開始や修正、中止、検査依頼、アウトカム評価などが薬剤師に任され、結果として薬剤師に補助的な処方の権限が与えられています。薬剤師の投与計画や患者とのやり取り、指導は契約を結んでいる主治医のカルテに記絨され、共有されています。

なぜ薬剤師が慢性疾患患者の治療管理に参加するのかといえば、薬剤師は薬物問の相互作用、薬と疾病の関係、薬物動態、多剤併用療法等に関する知識・技能があると認められているからです。

これにより、薬に関する問題点を管理し、ヘルスケアの費用軽減、医療ミスの減少、治療結果の向上と死亡率の減少等々に貢献できると考えられています。

日本にアメリカのCDTMの概念をそのまま持ち込むことには無理がありそうですが、厚労省医政局長通知では、薬剤師を積極的に活用することが可能な業務の項目の中で、「薬剤の種類、投与量、投与方法、投与期間等の変更や検査のオーダーについて、医師・薬剤師等により事前に作成・合意されたプロトコールに基づき、専門的知識の活用を通じて、医師等と協働して実施すること」を掲げています。

また、これに呼応するかのように、「調剤指針13改訂」(日本薬剤師会編)では調剤の概念について、「薬剤師が専門性を活かして診断に基づいて提示された薬物療法を患者に対して個別最適化を行うことをいう。また患者に薬剤を交付した後も、その後の経過の観察や結果の確認を行い、薬物療法の評価と問題を把握し、医師や患者にその内容を伝達することまで含む」と改めています。

医政局長通知、目薬の調剤指針ともに日本版CDTMの方向性を示したものといえます。今後の薬局薬剤師は、在宅医療において薬剤師がバイタルサインのチェックを行いながら、患者の状態を継続的にモニタリングし、CDTMとして慢性疾患の薬物治療を実施する、そんな絵姿が見え始めています。

参考になさってください。

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