トップページ > コラム:生き残る薬剤師とは?「医薬分業率上昇でも患者数は減」

薬剤師は景気の好不調の波を受けにくい人気の業種です。しかし、人生の多くの時間を費やすわけですから、やはり、よりよい処遇・よりよい人間関係・よりよい職場環境を求めたいものです。一度しかない人生です。ユーザーのみなさまが、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

コラム:生き残る薬剤師とは?「医薬分業率上昇でも患者数は減」

日本薬剤師会が発表した「保険調剤の動向」によれば、医薬分業率は全国平均で64.6%に到達しました。

分業率とは、外来患者で投薬を必要とする患者の中で院外処方せんによって街の調剤薬局で調剤された割合を指します。

分業率は、2009年度に初めて60%台(60.7%)に乗り、それ以降もさらに伸び続けています。しかも、分業率が70%を超えている地域は北海道、青森、秋田、岩手、宮城、福島、千葉、東京、神奈川、新潟、佐賀、沖縄と12都道県に及びます。

しかし、医薬分業については数字だけで単純に喜べない状況があります。

日本薬剤師会の調査では処方せん総枚数、1薬局当たりの処方せん枚数、患者1人当たりの調剤金額はいずれも増加していますが、一方で投薬対象患者数が前年度に比べ400万人近くも減少しています。

日本の総人口の減少傾向の影響が患者数の減少という形で表れたことを示しています。分業率がいくら高くなろうとも患者数そのものが伸びない状況では、経営の視点からは先行きの成長が見込めないということになります。

投薬対象患者数が減少したのは2011年度では35都道府県に及びました。しかも、そのうち秋田などの4県は処方せん枚数自体も減少しました。

にもかかわらず、この4県ではいずれも分業率が上昇しているのです。

このことは分業の指標、特に分業率自体が薬局経営に関して意味をなさず、実質的な患者数と処方せん枚数を見ていかなければならないことを示しています。

1974年に実質的にスタートした医薬分業が約40年の時を経て、大きな転換期を迎えていることを物語るものです。

今後は、“限られた患者数”の中で処方せんをどのよう獲得するかが経営に大きく影響してくることになります。

参考になさってください。

>>>今月の薬剤師転職サイト比較/口コミ人気ランキングはこちら

目次

トップページ
薬剤師/転職・求人サイト比較
生き残る薬剤師とは?
丸分かり!薬剤師
薬剤師の転職に関するアドバイス
薬剤師に関する基礎知識
病院における薬剤師の役割
薬剤師とセルフメディケーション
薬剤師と地域医療
薬剤師を取り巻く環境
地場薬局の未来
薬剤師関連ニュース

口コミを投稿する