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薬剤師は景気の好不調の波を受けにくい人気の業種です。しかし、人生の多くの時間を費やすわけですから、やはり、よりよい処遇・よりよい人間関係・よりよい職場環境を求めたいものです。一度しかない人生です。ユーザーのみなさまが、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

コラム:生き残る薬剤師とは?「薬剤師にも制度改革の影響が」

調剤薬局はこれまで比較的順調な歩みを続けてきました。しかし、高齢社会の進行、財政の逼迫の中、医療をはじめとする社会保障制度そのものが大きなパラダイムシフトに直面しています。

医療提供体制では、病院の機能分化と連携、在宅医療へのシフトと地域包括ケアシステムの推進等の課題に直面し、一方では消費税引き上げなど、国民負担の増加や給付制限が避けられない見通しになっています。

政府が閣議決定した「社会保障・税一体改革大綱」では、「今後、人口構成の変化が一層進んでいく社会にあって、年金、医療、介護などの社会保障を持続可能なものとするためには、給付、負担両面で人口構成の変化に対応した世代間・世代内の公平が確保された制度へ改革していくことが重要」「今後、一層の少手高齢化が進展し、社会保障費が増大していく中で、社会保障制度の持続可能性を確保し、同時に2020年度までに基礎的財政収支を黒字化する等の財政健全化目標を達成するため、さらなる取り組みを行っていくことが必要である」等と記載されています。

一体改革から読み取れるキーワードとしては「超少子・高齢化の到来」「持続可能な社会保障制度」「世代間の公平」「財政健全化」などが挙げられます。国民が痛みを伴う変革を受け入れる時に、医療政策、医療保険財政に依存する医療業界もまた変革を余儀なくされます。調剤薬局だけが安泰という状況は、決してあり得ません。

加えて、調剤薬局業界には現状でもオーバーストア、競争激化、処方せん調剤の伸び悩み、後継者難という経営面の課題があります。また業務内容に関しても、厚労省や医療関係者、患者団体等から医薬分業の費用対効果をめぐる厳しい指摘が聞こえるようになってきました。

これは、世の中が変わろうとしている状況にあって、変わろうとしない薬局・薬剤師への不満ともとれます。と同時に、逆に期待の現れともいえます。

このように見ていくと、現状の薬局経営のビジネスモデルや薬剤師の在り方が通用しない時代が遠からずやってくるのは確実です。

イギリスの生物学者ダーウィンは、「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることができるのは、変化に対応できる者である」という名言を残しています。

変化を敏感に捉え、変化に対応するものが生き残るのは企業経営でも同じです。薬局業界はまさに変化の時代を迎えているのであり、変化に対応するためのビジネスモデル=スタイルをどのように築いていくのかが問われています。

薬剤師もしかりです。「免許を持っているだけ」「調剤しかできない」薬剤師は「不要」とされる時代が、すぐそこまで迫ってきているのかもしれません。

高齢社会においては、医療、医薬品のニーズは増加します。そして、医療提供体制は「1病院完結型」から「地域完結型」に移ります。同時に、医療者は良質かつ効率的な医療サービスを提供する責務を負うことになります。

そこに薬局・薬剤師がどう絡んでいくのか、社会の要請に応えられるかどうか。それが薬局として存在できるかどうかの試金石になるはずです。

キーワードはまさに「在宅」「地域」ということですね。

参考になさってください。

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