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薬剤師は景気の好不調の波を受けにくい人気の業種です。しかし、人生の多くの時間を費やすわけですから、やはり、よりよい処遇・よりよい人間関係・よりよい職場環境を求めたいものです。一度しかない人生です。ユーザーのみなさまが、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

コラム:地場薬局の未来「半径500m以内に75%の顧客」

分業元年(1974年)以降、旧厚生省は国策として医薬分業推進の政策誘導に乗り出しました。その結果、薬局は調剤で生計を立てることができるようになったのですが、調剤に偏重するあまり、身近な地域医療の担い手としての役割を見失ってしまったようです。

その一方、国の政策誘導に乗り遅れた薬局からはかつての輝きを感じることはできません。漢方専門薬局など特異な世界で信頼を得ている薬局もありますが、OTC医薬品はドラッグストアに奪われ、処方せんは調剤薬局に取られる厳しい状況にあります。

しかし、ここにきて高齢者人口の増加とともに生活者の買い物行動が変わりつつあります。

かつてのように郊外の大型ショッピングセンターに行くよりも、徒歩や自転車で10分程度の距離にある身近なお店で、必要な分だけ買い物をするような風潮が目立ってきました。

コンビニエンスストアはターゲットを若い男性から女性層、そして高齢者層へとシフトしつつあります。

スーパーマーケットも小型化した店舗で高齢者世帯向けの惣菜パックなどに力を入れ始めました。

高齢者世帯向けの宅配機能を付加するスーパー、コンビニ、百貨店も増えてきています。

福岡県北九州市でドラッグストアを展開しているサンキュードラッグが顧客の購買行動をCRM(カスタマー・リレーションシップマネジメント=顧客管理)の手法で分析したところ、店舗から半径500メートル以内の顧客の来店頻度、客数ともに増加しており、最大規模の店舗ですら半径500メートル以内の顧客が売上構成比で75%を占めていることが分かりました。

サンキュードラッグが北九州市という政令指定都市の中で最も高い高齢化率(24.9%)の地域で展開していることも理由のひとつといえますが、これは近未来の目本の縮図でもあります。

今日、小売業はチェーンストアが主流になっていますが、どこにも属さない、地域に根差したインディペンデント(独立店)も少なくありません。

実は、中小薬局の活路もここにあるのではないでしょうか。

ただし、自店だけが繁栄するのではなく、地城ぐるみのコミュニティがなければなりません。いま、全国で町おこし、商店街活性化の取り紺みが行われています。

薬局はその先頭に立って、昔ながらのリーダーシップを発揮すべき時にきているといえます。

参考になさってください。

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