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薬剤師は景気の好不調の波を受けにくい人気の業種です。しかし、人生の多くの時間を費やすわけですから、やはり、よりよい処遇・よりよい人間関係・よりよい職場環境を求めたいものです。一度しかない人生です。ユーザーのみなさまが、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

コラム:地場薬局の未来「かかりつけ薬局の条件とは?」

患者は、どこの医療機関で処方せんをもらった場合でも、自由に調剤を受ける薬局を選択することができます。

自宅や勤務先の近隣などに、自分が気軽に相談でき、信頼の置ける「かかりつけ薬局」を持つことが大切です。

薬局で処方せんを受け取った時に薬剤師は前回処方と比較し、他科受診の有無、体調変化、残柴確認等々を行い、問題がない場合に調剤業務に入ります。

常に調剤してもらう薬局を1ヵ所に決めておくことで、重複服薬による相互作用の防止が可能になります。

しかし現実には、かかりつけ薬局が定着していないのも事実です。日本薬剤師会が公表した「薬剤師の将来ビジョン」によると、患者や顧客が薬局を選択する際、「いつも同じ薬局を利用している」は34.8%でした。「調剤とOTC医薬品は別の薬局」が41.9%、「ひとつに決めていない」は19.7%でした。

その理由では、「処方せんは医療機関の近くを利用」が63.5%も占めています。

「薬局は処方せんがないと入れない」も12.3%もありました。

さらに深刻なデータがあります。日経DIによると、薬局を選ぶ理由で「病院・診療所に近いから」が71%、10年前の調査では55.5%でした。分業率が64%にも到達しているにもかかわらず、「医療機関から近い」という理由で薬局を選ぶ割合が増えているのです。

これらのことから、患者はかかりつけ薬局のメリットを認識していないか、必要性を感じていないことが窺えます。

つまり、医薬分業のメリットが理解されていないことになります。

いうまでもなく、分業のメリットは薬剤師によるダブルチェック、服用支援や服用に際しての薬学的判断です。

しかし分業のメリットが理解されない以上、かかりつけ薬局の理解が進まないのは当然の帰結ということになります。

処方せん枚数は年間で7億4000万枚、国民1人当たり年間で5.8枚の処方せんを受け取っていることになります。

にもかかわらず、分業への理解が進んでいないことには愕然とせざるを得ません。

分業の理解が進まない理由のひとつは「待ち時間」の問題です。患者は医療機関で待たされ、イライラした状態で薬局を訪れます。早く薬をもらって帰りたいのが人情です。

しかし、ここで思い出して欲しいのが「調剤手順」です。

薬歴の算定要件や調剤指針には「処方せん受け付け後、薬を取り揃える前に患者に確認するよう努める」として患者からの情報収集や問題点を発見した後、調剤に入ることを求めている、調剤業務を対人関係(対患者)と対物に分けて、対人関係を優先するよう求めたものです。

これによって「ひとりの患者のためにここまで確認して、間違いのないように適切に対応しています」ということが分かってもらえれば、「待たされた」という感覚は薄らぐでしょうし、何より「薬局での調剤の意義」も理解されるはずです。

参考になさってください。

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